「売上をもう一段引き上げるために、工場や拠点を新設したい」。そんな成長志向の中小企業に向けた大型の補助金が、中小企業成長加速化補助金です。売上高100億円を目指す企業の大規模投資を、補助上限5億円・補助率1/2で支援します。ほかの補助金にはない特徴も多い制度なので、ポイントを整理します。

中小企業成長加速化補助金とは

この補助金は、経済産業省・中小企業庁が所管する制度で、売上高100億円という成長目標に挑む中小企業の設備投資・拠点整備を後押しします。補助上限は5億円、補助率は1/2と規模が大きく、補助事業の実施期間は交付決定日から14か月以内〜24か月以内です。

制度の規模
5億円 補助上限 中小企業向けとしては最大級
1/2 補助率 建物費を含む
14〜24か月 補助事業の実施期間 交付決定日から

出典:中小企業成長加速化補助金 3次公募要領 Ver1.0(2026年8月20日)。最終確認日 2026年8月20日。

3次公募は2026年8月20日に公表されました。応募申請の受付は2026年9月29日に始まり、締切は2026年10月29日15:00です。事務局のよくあるご質問では、令和7年度補正予算による公募はこの3次公募をもって終了となる見込みと案内されています。

対象になる企業

誰でも申請できるわけではなく、成長ステージが要件になっています。目安は次のとおりです。

  • 売上高10億円以上100億円未満の中小企業
  • 売上高100億円の実現を目指し、そのための大規模投資を計画していること

「これから100億円を目指す、成長途上の企業」を対象にした制度、というイメージです。

3つの主な要件

申請にあたっては、主に次の要件を満たす必要があります。

要件内容の目安
100億宣言「100億宣言」をポータルサイトに公表していること
投資規模投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費のうち、資産計上するものの税抜合計)
賃上げ補助事業終了後3年間で、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が一定水準(4.5%以上)

賃上げ要件の「4.5%」は、基準年度(補助事業完了日を含む事業年度)と3事業年度後を比較した1人当たり給与支給総額の年平均上昇率で、全国の最低賃金の上昇率などに連動して定められる数値のため、公募回で変わり得ます。

賃上げが未達成だと、補助金の返還を求められます

未達成率に応じた返還が定められています。交付を受けて終わりではなく、補助事業終了後3年間の給与支給総額まで含めて計画を組む必要があります。

特に入り口となるのが「100億宣言」です。これは売上100億円を目指すことを宣言・公表する制度で、成長加速化補助金の前提になります。詳しくは「「100億宣言」とは?」で解説しています。

補助対象経費。「建物費」が対象になるのが大きい

この補助金の大きな特徴が、建物費が補助対象に含まれる点です。多くの補助金では建物は対象外ですが、本制度は工場・物流拠点などの整備を伴う投資を想定しており、新設・増築だけでなく、改修や中古建物の取得も対象になります(ただし土地の取得費や、門・塀などの附属構築物、解体・撤去費は対象外です)。

対象になる経費と、ならないもの
補助対象経費
  • 建物費(拠点の新設・増築・改修、中古建物の取得)
  • 機械装置費(器具・備品費を含む)
  • ソフトウェア費
  • 外注費・専門家経費
対象外
  • 土地の取得費
  • 門・塀などの附属構築物
  • 解体・撤去費

「設備だけでなく、建物を含む大きな投資を計画している」企業にとっては、使いどころの大きい制度といえます。

事業計画づくりのポイント

金額が大きいぶん、審査では「本当に100億円に向かって成長できるのか」という実現可能性が重視されます。投資の効果、売上・付加価値の成長シナリオ、賃上げの裏付けなどを、数字の整合を取りながら一貫したストーリーとして描くことが重要です。単なる設備の説明ではなく、成長戦略として説得力のある計画書に仕上げる必要があります。

よくある質問

Q. 補助率と補助上限額はいくらですか?
補助率は1/2、補助上限額は5億円です。中小企業向けの補助金としては最大級の規模になります。

Q. どんな企業が対象ですか?
売上高10億円以上100億円未満の中小企業が対象です。1億円以上の投資を行うこと、申請時までに100億宣言が100億企業成長ポータルに公表されていることが要件で、賃上げの目標も定められています。

Q. 建物費は補助の対象になりますか?
対象経費に建物費が含まれる点が、この補助金の特徴です。対象になる工事の範囲は公募回ごとに定められていますので、最新の公募要領でご確認ください。

本記事は中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 Ver1.0および同日の概要資料にもとづく解説です(最終確認日:2026年8月20日)。補助上限額・補助率・対象・要件(投資額・賃上げ率等)・スケジュールは公募回ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご確認ください。
補助金の申請書類・事業計画書の作成、官公署への提出代理は当事務所の行政書士が担当します。成長戦略の立案や採択後の経営面のご支援(非独占業務)は、提携する株式会社LENKERが承ります。

更新履歴:2026.08.02 よくある質問と構造化データを追加/2026.08.20 3次公募の公表に合わせて日程・補助事業期間・投資額の要件を更新

まとめ

中小企業成長加速化補助金は、建物を含む大規模投資に補助上限5億円という、成長志向の中小企業にとってインパクトの大きい制度です。まずは入り口である「100億宣言」の検討から始まります。自社が対象になりそうか、どんな計画が描けるか、構想段階からお気軽にご相談ください。