省力化投資補助金を調べ始めると、必ず出てくるのが「カタログ注文型」と「一般型」という2つの言葉。名前は似ていますが、申請の手間も、もらえる金額も大きく違います。どちらを選ぶかで進め方が変わるため、最初に違いを押さえておきましょう。

省力化投資補助金には2つの型がある

省力化投資補助金は、人手不足の解消に役立つ設備投資を支援する制度です。その申請ルートが2つに分かれており、「手軽さ」を取るか「規模・自由度」を取るかで選ぶことになります。

ひと目でわかる比較表

観点カタログ注文型一般型
投資対象登録済みの汎用製品をカタログから選択現場に合わせたオーダーメイドの設備・システム
申請方式随時申請(通年受付)公募回ごとの締切制
事業計画簡易本格的な事業計画書が必要
補助上限の目安従業員数により500万〜1,000万円(賃上げ時は750万〜1,500万円)従業員数により750万〜8,000万円(大幅賃上げ特例で1,000万〜1億円)
補助率1/2 以下1/2(条件により2/3)
向くケース定番製品で素早く・手軽に導入したい大型・自社専用の省力化に取り組みたい

カタログ注文型が向くケース

カタログ注文型は、あらかじめ登録された製品の中から選んで申請する方式です。事業計画づくりの負担が小さく、随時申請(通年受付)で締切に追われないのが大きな魅力。「補助金は初めて」「まずは定番の省力化機器を入れたい」という事業者に向いています。

たとえば、券売機やセルフレジ、配膳・清掃ロボット、無人搬送車(AGV)といった製品が対象カタログに並びます。導入したい機器がカタログにあれば、最短ルートになり得ます。

注意:カタログ注文型は2026年3月19日の改定で、従業員20人以下の補助上限額が引き上げられました。5人以下は200万円から500万円へ、6〜20人は500万円から750万円へ変わっています(大幅な賃上げを達成する場合はそれぞれ750万円、1,000万円)。21人以上は1,000万円(賃上げ時1,500万円)で据え置きです。同じ改定で申請の受付期間が2027年3月末頃まで延長され、収益納付も撤廃されました。古い情報のままで検討すると金額の見込みがずれるため、最新の上限額は必ず公募要領でご確認ください(中小企業基盤整備機構「カタログ注文型 公募要領」改訂11版・2026年3月19日改訂)。一般型の第7回公募は、2026年7月31日17時で申請の受付を終了しました。第8回は2026年8月中旬の公募開始が予定されています。最新の日程は中小企業基盤整備機構の事業ページでご確認ください。

一般型が向くケース

一般型は、自社の現場に合わせたオーダーメイドの設備・システムを導入する場合の方式です。本格的な事業計画書が必要で公募の締切もありますが、その分補助上限は従業員規模により最大8,000万円(大幅賃上げ特例で1億円)と大きく、小規模企業者などや最低賃金引上げの特例に該当する場合は補助率も2/3になります。

「カタログにない自社専用の設備を入れたい」「工場ライン全体を省力化したい」といった、踏み込んだ投資に向いています。手間はかかりますが、得られるリターンも大きい選択肢です。

迷ったときの選び方

判断に迷ったら、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 1導入したい設備は決まっているか

    定番製品で、それがカタログにあるなら「カタログ注文型」が近道です。

  2. 2自社専用・大型の投資か

    オーダーメイドや大規模なら「一般型」が候補になります。

  3. 3スピード重視か、金額重視か

    すぐ動きたいならカタログ注文型、金額の大きさを取るなら一般型です。

どちらにも一長一短があり、自社の状況によって最適解は変わります。「うちの場合はどっち?」と迷ったら、専門家と一緒に整理するのが早道です。

よくある質問

Q. カタログ注文型と一般型はどちらを選べばよいですか?
導入したい設備が決まっているかどうかが分かれ目です。登録済みの製品から選んで素早く導入したいならカタログ注文型、現場に合わせたオーダーメイドの設備やシステムを入れたいなら一般型が向きます。

Q. 補助上限はどのくらい違いますか?
カタログ注文型は従業員数により500万円から1,000万円、大幅な賃上げを達成する場合は750万円から1,500万円です。一般型は従業員数により750万円から8,000万円、大幅賃上げ特例が適用されると1,000万円から1億円です。

Q. 申請のタイミングに違いはありますか?
カタログ注文型は随時申請で、通年で受付が行われます。一般型は公募回ごとに締切が設けられているため、締切に合わせて事業計画を仕上げる必要があります。準備にかけられる時間も、選択の材料の一つです。

Q. 2026年3月の改定で何が変わりましたか?
従業員20人以下の補助上限額が引き上げられました。5人以下は200万円から500万円へ、6〜20人は500万円から750万円へ変わっています。あわせて申請の受付期間が2027年3月末頃まで延長され、収益納付も撤廃されました。

Q. どちらが合うか相談できますか?
当社は制度の選定支援や市場と競合の分析といった非独占業務をご提供します。補助金の申請書類および事業計画書の作成と官公署への提出代理は、提携するLENKER行政書士事務所の行政書士が担当します。

本記事は省力化投資補助金の一般型 第7回公募要領(2026年6月)と、カタログ注文型 公募要領 改訂11版(2026年3月19日改訂)に基づく一般的な解説です(最終確認日:2026年8月2日)。補助上限額や補助率、対象とスケジュールは公募回ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご確認ください。

補助金の申請書類および事業計画書の作成と、官公署への提出代理は、行政書士法に基づき、提携するLENKER行政書士事務所(東京都行政書士会所属)の行政書士が行います。当社(株式会社LENKER)がご提供するのは、制度の選定支援、市場・競合の分析、収益シミュレーションの素材資料、採択後の経営伴走といった非独占業務です。申請書類および事業計画書の作成、お客様が作成された内容の添削取りまとめ、jGrantsへの申請内容の入力は、当社では行いません。

まとめ

カタログ注文型と一般型の違いは、ひとことで言えば「手軽さ」か「規模・自由度」か。導入したい設備と投資の規模が決まれば、おのずと選ぶべき型は見えてきます。制度の基本については「省力化投資補助金とは?」もあわせてご覧ください。どちらが自社に合うか迷ったら、お気軽にご相談ください。

更新履歴:2026.06.11 初版公開/2026.08.02 2026年3月改定の内容を訂正(上限額は引き上げ)。公募要領で数値を再照合し、よくある質問と構造化データを追加